店頭には小説、雑誌、コミックなどなど…さまざまな書籍が並んでいます。
中には同じ作品がサイズや形式を変えて販売されています。
例えば、単行本で販売されている書籍が、文庫本でも販売されているケースがありますよね。
店頭で見たことがある方も多いと思います。
ではなぜ、サイズや形式を変えて書籍を販売するのでしょうか?
今回は、単行本と文庫本の2種類に焦点を当てて、掘り下げていきたいと思います。
単行本と文庫本と2種類ある理由
店頭で、活字本の同一書籍が単行本と文庫本の2種類に分かれて販売されているのを見たことがあるかと思います。
ではなぜわざわざ形式を変えて販売するのか。
結論から言いますと、出版社が同一書籍を別の形式(文庫本)で販売することでその書籍で得られる利益をいっそう上げるためです。
基本的に出版社は単行本を販売して、読者が購入してくれることで利益を得ています。
ですので、単行本は値段を高めに設定して販売します。そうしなければ作家さんにも収益が入らないのも高価格にする理由の一つです。
さて、仮に単行本がヒットしたとしましょう。
その作品がヒットしている時は、読者は単行本を購入するので作家も出版社も潤います。
ですがその作品が何年にもわたってロングヒットすることはあまり見られませんよね。
通常売り上げは時間の経過に比例して右肩下がりになっていきます。
そのように時間が経ってしまってから、読者はわざわざ値段の高い単行本で購入する気が起こるでしょうか?
購買心理としては考えづらいですよね。
そこで文庫本が登場します。
文庫本は通常単行本の販売から2~3年後に文庫本化されます。
単行本で十分な収益を得て、なおまだその作品で利益を確保できる見込みがある場合、
かつ販売から一定期間が経過している場合に、
単行本の廉価版である文庫本を販売することで利益を上げようというわけです。
つまり薄利多売ということですね。
当然と言えば当然で、文庫本は一冊当たりの利益が単行本ほどではないので、単行本時よりも多く発行しなければ利益は得られません。
それらの問題は、それなりにヒットした作品であればある程度売り上げは担保されているので問題ないですよね。
ですから単行本(でヒットした作品)を文庫本として再度販売するのです。
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単行本と文庫本それぞれの意味
単行本とは、その作品がシリーズものの中の1冊としてではなく、単独の作品として1冊にまとめられた形式です。カバーはハードカバーとソフトカバーの2種類があります。
小説の場合ですと、雑誌や新聞で発表した複数の作品を1冊の単行本にまとめて販売されているのが一般的です。
ちなみに、単行本書き下ろしという言葉を聞いたことがあるかと思います。単行本と何が違うのかというと、単行本の形式で刊行するために作品を書く場合を指します。
文庫本とは、ヒットした単行本で、その後もある程度・一定の利益が見込める作品の利益拡大のために販売される本です。
単行本がヒットしてから2~3年後に販売されるのが一般的です。サイズは単行本よりも小さく、単行本よりも廉価です。
こちらはシリーズ本としても刊行されます。
単行本と文庫本の違い
出版社は作品で利益を得る場合、基本的に単行本を販売して利益を確保します。
そのため、単行本は値段が高いです。
ですがその分、本自体のクオリティも高いです。紙質は丈夫なものを使用していますし、本のカバーも一般的にはハードカバーが多いので(ソフトカバーもあります)、その作品を長く読み続けたい場合には適しています。
ただ、文庫本に比べてサイズが大きく、丈夫なので持ち運びには不便であると思います。
文庫本は、単行本で売れた作品で、さらに一定の利益を獲得するために廉価で売られているので、クオリティは単行本に比べて落ちます。
長期保存には適していないです。きっと家の本棚にある、ご両親の保有している文庫本を見れば一目瞭然でしょう。
ですが、値段は単行本よりも安いので購入の点においては文庫本の方が勝っているでしょう。
サイズもコンパクトで持ち運んで読書するのに適しています。
さらに文庫本は加筆や訂正、あとがきも加えられています。このような文庫本ならではの楽しみもあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
まとめると、
・単行本は、出版社の基本的な収益源であり、本自体のクオリティが高い。紙質が丈夫で長期保存に適している。
・文庫本は、ヒットした単行本で、さらに一定の利益を確保するために刊行される。
・文庫本は、廉価でクオリティが劣るので長期保存には適していない。
最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。
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