エヴァンゲリオンには主人公の碇シンジが所属するネルフという組織が登場します。
ネルフのおかげでエヴァンゲリオンが稼働し、人々の平和が守られていますが、その実態はどうなのでしょうか?
今回はネルフの目的やロゴの意味、職員の階級や組織図について深堀りしていきたいと思います^^
目次一覧
エヴァンゲリオンの特務機関NERV(ネルフ)とは
【ネルフ(NERV)】使徒対策を主任務とする国連直属の特務機関。本部は第3新東京市地下、総司令官は碇ゲンドウ。EVAシリーズの運用を含めた絶大な権限を委譲され、作戦指揮も独自に推進できる。#kinro #エヴァ #エヴァまつり pic.twitter.com/E8XIq2w19x
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) August 29, 2014
特務機関NERV(ネルフ)とは国連直属の超法規組織で、正式名称は国際連合直属非公開組織特務機関NERVです。
超法規は(国家が)法律の規定以上のことを特別に行えることであり、ネルフが使徒殲滅などに関して絶大な権限を持っているといったニュアンスです。
現に作中では、国連と日本政府から使徒殲滅に関して指揮権を委任されていることが示唆されています。
ネルフの主な目的は人類を脅かす使徒の殲滅と、その使徒とネルフが保有する使徒とが接触することによって引き起こされるであろうサード・インパクト(人類が滅亡する規模の大災害)を防ぐことです。そのため人型兵器であるエヴァンゲリオンを有しています。
ネルフの部署はそれぞれ司令部、戦術班、技術班、広報班などに分かれており、司令部は使徒殲滅のための方針を決めたり、
使徒襲来時には戦術班がエヴァのパイロットに指令を出してスムーズに殲滅作戦決行するようにフォローを、技術班がエヴァのメンテナンスをしています。
以上がネルフの主な役割やその目的となります。
ネルフの目的
上記したように、ネルフの主な目的は
- 使徒を殲滅すること
- サード・インパクトを防ぐこと
しかしそれは表向き・建前の目的で、本当の目的はネルフの上層部であるSEELE(ゼーレ)が進める「人類補完計画」の実行です。
そのため、実際はネルフはゼーレの下部組織として存在し、ゼーレの指示通りに動いているといった形になります。
このゼーレの「人類補完計画」を知っているのは、ゼーレから命令を受けている総司令官の碇ゲンドウとその側近の冬月コウゾウなどの一部の人間のみです。
なぜゼーレがこのような計画を進めているのかというと、作中で死海文書という人類の行く末が書かれたものが発見され、その運命から逃れるために人間が完璧な生物になるための計画が人類補完計画なのです。
これが実行されると、人間は個体としての存在を失い、単一の集合意識・集合存在となり、罪や争い、不安や恐怖、死などのあらゆるしがらみから解放されます。
ざっくり言うと、個の人間が不完全さゆえに罪を犯したり、争ったり、不安や恐怖から人を傷つけたりするなどの行為を行ってしまうので、集合存在にしてしまえば不完全さゆえに起こるしがらみから解放されるので意識や感情を共有してしまった方がいいといったところでしょうか。
ただ、複雑なのは、ゲンドウと冬月は彼等は彼らでゼーレの指す人類補完計画とは中身が別の補完計画を企てています。
それは端的に言うと、人類補完計画を利用し、ゲンドウの亡き妻・ユイに再開することです。
こちらについてはまた別の記事で深堀したいと思います。
ちなみにネルフはドイツ語で神経という意味で、その前身組がゲヒルン、ネルフの上層部をゼーレと言います。
ゲヒルン(Gehirn)はドイツ語で頭脳・脳髄を、ゼーレは魂・霊魂を指します。
魂→脳→神経と下っていくのが、凝っていて細部までこだわりがあるのが伝わってきますね!
ネルフのロゴの意味
ネルフのロゴは主に組織名(NERV)とデザイン(半分の葉っぱ)とロゴの下部に円形状に一文が添えられて構成されています。
どの構成要素も色が真っ赤になっているのが特徴的ですね。
さて、これらの構成要素はそれぞれどのような意味が込められているのでしょうか?
1つずつ深堀していきますね。
まずは組織名のネルフ(NERV)についてですが、これは「NEO EATH OF RETARN VERERATION TEAM」という正式名称の略です。
これはそれぞれ本来英語であれば「EARTH」、「RETURN」、「VENERATION」と思われる単語が当てはまるのではないかと思います。
それぞれの単語が正しいスペルでなかったり、欠けたりしているのは、作中の人間が生命の実を手にしておらず不完全であること、
そのような不完全な人間が使徒殲滅をして命が脅かされない世界(=人間側からすると理想・完璧な世界)や人類補完計画(=完全さ)を求める皮肉を示唆しているのかなと個人的には感じました。
次にデザインの半分の葉っぱについてです。
これはイチジクの葉です。由来は旧約聖書の失楽園のエピソードなのかなと思います。
どういうことかというと、エデンの園でアダムとイブは、神から食べると善悪を識別できるようになる樹の実を食べないよう禁じられていました。
しかし樹の実を食べた彼らは知恵という能力を得てしまい、裸でいることが恥ずかしいと感じるようになり、局部をイチジクの葉で隠します。
ネルフのロゴがイチジクの葉なのはこのエピソードとかけて、作中でも人間が知恵の実に由来する生物であること、葉が半分なのは禁断の果実のもう1つである生命の実を人間は有してないからです。
最後に、ロゴの下部に円形に沿って書かれている一文ですが、これは「GOD`S IN HIS HEAVEN. ALL`S RIGHT WITH THE WORLD.」と書かれています。
意味は「神は天に在り、全て世は事もなし」で、こちらはロバート・ブラウニングさんの詩の『ピッパが通る』の一節から引用したそうです。
ネルフの職員一覧・階級
作中に登場するネルフの主な職員は8名です。
職員の名前と役職や所属部署(基本的にTVアニメシリーズに基づく)は以下になります。
所属 | 名前 |
総司令官 | 碇ゲンドウ |
副司令官 | 冬月コウゾウ |
戦術作戦部作戦局第一課: | 葛城ミサト |
技術開発部技術局第一課 | 赤木リツコ |
特殊監査部所属の諜報員 (新劇場版ではネルフの主席監察官) |
加持リョウジ |
技術開発部技術局一課 | 伊吹マヤ |
中央作戦司令室付 | 青葉シゲル |
中央作戦司令部作戦局第一課 | 日向マコト |
シンジ、レイ、アスカはネルフに所属はしていますが、あくまでもエヴァのパイロットとして所属をしているのであり、部署に所属しているという意味での職員かと言われるとちょっと立ち位置が異なってきます。
ネルフ職員の階級
ネルフ職員の階級は以下になります。
碇ゲンドウ:総司令官
冬月コウゾウ:副司令官
葛城ミサト:一尉(第拾弐話で三佐に昇格)
赤木リツコ:技術班なので階級なし?
加持リョウジ:諜報員なので階級なし?
伊吹マヤ:二尉
青葉シゲル:二尉
日向マコト:二尉
職員の階級は、三佐や一尉や二尉などキャラクターに設定されている階級を見る限り、自衛隊の方式を採用していると考えられます。
参考までに自衛隊の階級制度は以下になります。
- 将官:幕僚長(大将)→将(中将)→将補(少将)
- 佐官:一佐(大佐)→二佐(中佐)→三佐(少佐)
- 尉官:一尉(大尉)→二尉(中尉)→三尉(少尉)→准尉
- 曹:曹長→一曹→二曹(軍曹)→三曹(伍長)
- 士:士長(上等兵)→一士(一等兵)→二士(二等兵)
ミサトが佐官であり現場(使徒襲来時、実際に戦闘するシンジたち)を指揮することや、尉官がそのフォローをしていることを考えると割と適切な階級なのではないでしょうか。
ネルフ職員の関係性を相関図で解説
基本的に部下同士の関係性などはそこまで特筆すべきものがないため、ここではゲンドウとミサトという各キャラに対して関係性が変わる人物に絞って解説します。
・碇ゲンドウ
冬月コウゾウ:部下。大学時代の教授
葛城ミサト:部下
赤木リツコ:部下
加持リョウジ:部下。(監視されている)
伊吹マヤ:部下
青葉シゲル:部下
日向マコト:部下
・葛城ミサト
碇ゲンドウ、冬月コウゾウ:上官
赤木リツコ:大学時代の友人
加持リョウジ:元恋人
伊吹マヤ、青葉シゲル、日向マコト:部下
それにしても、大学時代の教授や友人、元恋人がいる職場…関係値がある分意思疎通がとりやすく働きやすい反面、仲たがいなど揉めた時もその分こじれそうでやりづらい職場ですね笑
まとめ
まとめると、
・ネルフの表向きの存在意義は、使徒殲滅とサード・インパクトの阻止
・真の目的は上層部ゼーレの指示に従い人類補完計画の実行すること
・階級は自衛隊式を採用していると考えられる
いかがでしたでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました!