芥川賞と直木賞は毎年ニュースでも取り上げられるので、その受賞作品が話題になりますよね。
なので、本を読む人・読まない人に関わらず、誰もが1度はその名前を聞いたことがあるはずです。
でも、芥川賞と直木賞って実際のところ何が違うのでしょうか?
そこで今回は、芥川賞と直木賞について掘り下げていきたいと思います^^
芥川賞と直木賞の意味
芥川賞の正式名称は“芥川龍之介賞”で、直木賞の正式名称は、“直木三十五賞”です。
どちらも日本を代表する作家である、芥川龍之介・直木三十五の名前が由来になっています。
どちらの賞もその名の通り、彼らの文学界における功績を称えて設立されました。
では、どのような経緯で2つの賞が設立したのでしょうか?設立の背景には菊池寛の存在がありました。
菊池寛は1924年に雑誌「文藝春秋」を創刊しました。芥川は毎号の雑誌の巻頭に「侏儒の言葉」という作品を掲載し、直木も文壇のゴシップを雑誌に掲載していたそうです。
彼らが執筆した掲載作品は好評だったようで、芥川と直木は「文藝春秋」の発展に大きく貢献しました。
2人と友人関係にあった菊池は2人の友人の没後を記念し、また彼らの文学界・春秋における功績と貢献称えて両賞の設立に踏み切ったのです。
芥川賞と直木賞の違いは?
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芥川賞と直木賞に違いは、いくつかあります。
まず、賞の対象となる作品のジャンルが異なります。
芥川賞は、娯楽―つまり商業色の強い作品よりも芸術性に重きを置く“純文学”が対象作品です。
直木賞は芸術性よりも娯楽・商業色に重きを置いた、“大衆小説”が対象作品です。
次に、作家の経歴が異なることです。
芥川賞は、無名・および新人作家が対象となります。
直木賞も創設時は無名・新人作家が対象でしたが、現在では形骸化してしまい、主に中堅作家の作品が受賞することが多いようです。
最後に、作品の長さが異なります。
芥川賞は短編から中編が主な対象で、直木賞は長編作品も受賞対象になっています。
要するに両作家の作品の特徴を反映させた賞の形式を採っています。
直木賞と芥川賞どっちがすごいのか?
結論から言いますと、どちらの賞の方が“すごい”とかはありません。
といいますのも、2つの賞は対象となる作品の選考基準がまるっきり異なるからです。
対象作品の長さもジャンルも異なる作品を比較して賞の優劣をつけるのはフェアではありませんよね。
ただ、無名・新人作家が受賞する芥川賞より、中堅作家が受賞することの多い直木賞の方が賞として格上との見方を示す人もいるようです。
芥川賞と直木賞の賞金
受賞作家には賞金と副賞が贈られます。
賞の受賞はテレビやネットニュースで取り上げられているので、賞金と副賞が授与されることをご存知の方は多いでしょう。
ではいったい賞金はどれくらいもらえて副賞は何でしょうか?
どちらの賞も賞金は100万円で、副賞は懐中時計です。
100万円と聞いてどう思われたでしょうか?少ないと感じませんでしたか?
私はもっと貰っているイメージがあったので、歴史や重みのある賞の割には意外に賞金が少ないのだなと感じました。
また、なぜ副賞が懐中時計なのかというと、これにはちゃんとした理由があります。
芥川賞の対象作家が無名・新人であることはお伝えしました。
現在と異なり、時代も時代なので当時の無名・新人作家は貧しい青年が多かったのです。
ですから菊池寛は受賞した作家が、お金に困窮しても質に入れられるような品を贈呈することを考案しました。
そこで、懐中時計が副賞になったのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
まとめると、
・芥川賞・直木賞は2人の友人である菊池寛が功績と没後を記念して設立した。
・2つの賞の対象作品の選考基準が異なるので、賞の優劣はない。
・賞金は100万円で、副賞は懐中時計。懐中時計なのには理由があり、当時貧困が当たり前だった新人作家の背景を考慮し、お金に換えられるものを贈ることになったから。
最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。
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